2 電子決済手段1  電子決済手段については、アクセス型とストアドバリュー型の二つに分類される。前者が、取引の度に決済情報のやりとりを行うのに対して、後者は、取引ごとに決済情報をやりとりする必要がないという点に違いがある(図表1-10-1)。  ストアドバリュー型は、ICカードやパソコンに予め現金や預金と引き換えに電子的貨幣価値を引き落としておき、経済活動の際に同貨幣価値のやりとりを通じて代価を支払いする方法を指す。狭義の電子マネーとは、このストアドバリュー型のことを指す。  さらにこの狭義の電子マネー2は、金銭的な価値をICカード等に蓄積して決済を行うICカード型と、貨幣価値データの管理を行うソフトウェアをパソコン等に組みこんでネットワークを通じて決済を行うネットワーク型の2種類がある。  一方、アクセス型商品は、インターネットやパソコン等を用い、預金振替等の遠隔地から支払指示を行うことにより電子的に決済を行う手段である。インターネットバンキングはアクセス型の電子決済手段になる。 図表1-10-1 「電子マネー」の分類 1 以下の記述は館(2002)を基にしている 2 電子マネーは、広い意味で「お金」や「支払手段」の役割をする電子的なサービスのことを意味しており、既存の手形やクレジットカード、振替・振込などの金融機関(主として銀行)を経由した決済も、支払指示の電子化という意味では電子マネーに含まれる