(2)IPアドレス・ドメイン名の管理 1 ICANNの役割  世界中の人々がインターネットを安心して利用できるためには、インターネットを利用する上で必要不可欠なIPアドレス、ドメイン名等の適切な管理・調整が極めて重要であり、現在、民間の非営利組織であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が、これらインターネット資源の適切な管理・調整を行っている。ICANN各種委員会のうち各国政府の代表者等から構成される政府諮問委員会(GAC)には、総務省が我が国唯一の正式登録メンバーとして参加し、国際的な協力体制の確立に取り組んでいる。 2 我が国におけるIPアドレス・ドメイン名の適切な運営  IPアドレスは、世界的に管理を行うICANN/IANA(Internet Assigned Numbers Authority)から地域アドレス管理機関(RIR: Regional Internet Registry)に割り振られ、RIRから直接又は国別アドレス管理機関(NIR: National Internet Registry、日本においてはJPNIC:(社)日本ネットワークインフォメーションセンター)を通じてインターネット・サービスプロバイダ等に割り振られたものをエンドユーザーが利用する仕組みとなっている。  ドメイン名は、「.com」や「.net」のような分野別ドメイン名(gTLD:generic Top Level Domain)及び「.jp」のような国別ドメイン名(ccTLD:country-code Top Level Domain)の2種類に大別することができる。「.jp」ドメイン名は日本レジストリサービス(JPRS:Japan Registry Services)社によって管理されており、インターネット・サービスプロバイダ等の登録事業者を通じて取得することができる。「.jp」ドメイン名は平成18年4月現在で81.1万件が登録されており、そのうち主なもので、一般企業等のための「.co.jp」が28.8万件、任意の英数字を登録できる汎用jpドメイン名が34.1万件、日本語の文字を登録できる日本語jpドメイン名(例:総務省.jp)が11.9万件となっている。  また、本年2月に決定した第1次情報セキュリティ基本計画において、政府機関は政府機関への成りすましの防止のため、政府機関のドメインであることが保証されるドメイン名の利用を推進することとしており、総務省としても積極的にインターネットのドメイン名の適切な利用に関して積極的に取り組むこととしている。 3 インターネットガバナンスの在り方に関する議論について  インターネットが発展途上国を含めた世界全体の社会・経済に浸透し、その重要度が増しつつあることを背景として、平成17年11月にチュニジアにて開催された世界情報社会サミット(WSIS)においてインターネットガバナンスについて議論され、今後、インターネットに関連する幅広い課題についてマルチステークホルダーで対話を行う場として国連インターネットガバナンスフォーラム(IGF)が開催されることとなった。引き続き総務省は、インターネットがこれまで民間を中心とした取組により発展してきたことを考慮し、インターネットの安定的運用とユーザーの利便性・安全性が確保されるようインターネットガバナンスに関する議論に積極的に参加していくこととしている。