(3)電気通信サービスにおける重要通信の確保 1 重要通信の確保  電気通信分野では、携帯電話やIP電話等の普及に伴う通信サービスの発展や利用形態の多様化等に応じ、国、電気通信事業者及び産業界が連携して災害等の非常時に備えて重要通信を確保するための効果的な仕組みを、我が国全体として整備する必要性が高まっている。こうした事情を踏まえて、総務省では、平成14年4月から「電気通信事業における重要通信確保の在り方に関する研究会」を開催し、平成15年7月に報告書を取りまとめた。  平成16年12月には、同報告書の提言等を踏まえ、その後の携帯電話事業者等の主な取組状況について同年1月に続き公表した。また、新潟県中越地震における電気通信事業者の設備やサービスへの被害及びその復旧等の対応について、電気通信事業者が取り組むべき今後の対応策を、主要電気通信事業者等関係者からなる「災害時の電気通信サービス確保に関する連絡会」の場を活用して検討し、その結果を取りまとめた。  同取りまとめでは、災害時の電気通信サービス確保における技術面での対応策として、障害が発生した場合の携帯電話基地局への駆け付け時間を考慮した非常用電源の容量の再点検や保持時間の延長等が、また、体制・制度面での対応策として、道路管理者及びライフライン関係機関(電力事業者等)との情報共有・連絡体制の確立等が、今後の対応策として挙げられた。 2 電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策  携帯電話やIP電話の普及に伴い、これらの電話からの緊急通報が急増していることに対応するために、総務省では、平成15年11月、情報通信審議会に「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」について諮問し、平成16年6月に、「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」について一部答申を受け(図表3-4-7)、また、平成17年3月に、「IPネットワークにおける緊急通報等重要通信の確保方策」について答申を受けた。  同答申を踏まえ、平成18年1月に、緊急通報を取り扱う場合には、携帯電話においては、GPS等を利用した位置情報(緯経度等)を、IP電話(固定するもの)においては、住所情報等を緊急通報受理機関へ通知すること等について省令、告示の改正を行い、平成19年4月からの導入に向けた取組を進めている。 図表3-4-7 携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能