(5)情報通信分野における個人情報の保護  情報通信分野においては、その業務上、通信の秘密その他のプライバシーに関連する大量の情報を取り扱う機会が多いことから、従来からその厳正な扱いが求められてきたが、電子化された情報がネットワークを介して迅速に流通する高度情報通信ネットワーク社会においては、個人情報保護の必要性が一層高まってきている。  すべての分野を包括的に対象とした個人情報の保護については、平成15年5月、「個人情報の保護に関する法律」が公布され、平成17年4月から全面施行されている。  総務省でも同法の施行に伴い、個人情報取扱事業者の個人情報の取扱いに関する苦情の処理や個人情報の適切な取扱いの確保に関して必要な業務を行う認定個人情報保護団体を数団体認定している。  また、情報通信分野における個人情報の保護のための格別の措置については、「電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会」及び「放送分野における個人情報保護及びIT時代の衛星放送に関する検討会」における検討を踏まえ、総務省は、平成16年8月、個人情報の適正な取扱いのより厳格な実施を図るため、平成3年に策定し、平成10年に改訂した「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」を再び改訂(用語、定義等をできる限り個人情報保護法と統一のとれたものとするとともに、電気通信事業者がとるべき安全管理措置の具体化、個人情報保護管理者の設置、プライバシーポリシーの策定公表等の規定を盛り込み)するとともに、「放送受信者等の個人情報の保護に関する指針」を制定した。これらのガイドラインも、平成17年4月から適用されている。  なお、情報通信分野における個人情報の保護のための法制上の措置についても、上記懇談会等において検討が行われ、それぞれ平成16年12月及び平成17年2月に公表された取りまとめにおいて、分野横断的に個人情報を漏えいする行為等を処罰できることとするための法制度の整備の検討を今後進めていくことが適当である旨提言されている。  「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」については、上記懇談会での議論を踏まえ、平成17年10月に「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に違反する迷惑メール等の大量送信行為により利用停止措置を受けた加入者情報を、プライバシー及び個人情報の保護に配慮しつつ、電気通信事業者間で交換できる規定を追加するなどの改訂が行われた。