第5節 コンテンツ流通の促進と情報通信ベンチャーの創業・成長を促進するための取組 1 コンテンツの制作・流通・保存の促進 (1)ブロードバンドコンテンツの制作・流通の促進 〜コンテンツ利用における利便性の確保と権利の適切な保護の両立等を実現〜  コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律が制定され、国、地方公共団体及び関係者が一体となって施策の総合的、効果的な推進を図ることとされている。また、知的財産推進計画2005においても、コンテンツ流通大国の実現に向けて取り組むことが掲げられている。  総務省では、光ファイバ網の整備の進展やデジタル放送の普及等、高度な情報インフラの整備が進む中、こうしたインフラを活用して、良質なコンテンツの制作・蓄積/保存・流通を図り、コンテンツ充実の好循環を創出する観点からの取組を進めている。 1 ユビキタスネットワーク時代に向けたマルチコンテンツ利用技術の開発・実証  ユビキタスネットワーク時代におけるマルチコンテンツ流通の促進に向け、パーソナル通信ネットワーク上のコンテンツ利用について、様々な機器間をシームレスにコンテンツが移動し、機器の種別や利用場所にとらわれない視聴等が可能となるなどの高い自由度・利便性を確保しつつ、あらゆる利用過程においてコンテンツに係る権利の適切な保護の実現を図るため、マルチコンテンツ利用技術の開発・実証に平成17年度より取り組んでいる(図表3-5-1)。  本実証実験は、放送事業者、通信事業者、家電メーカー及び標準化団体の参加の下、ブロードバンドネットワークを活用したテレビ番組コンテンツ配信についてサービスモデルを検討している「次世代ブロードバンドコンテンツ流通フォーラム」と緊密な連携を取りながら進めている。 2 次世代型映像コンテンツ制作・流通支援技術の研究開発  デジタルシネマ等の臨場感あふれる超高精細映像(次世代型映像コンテンツ)について、ネットワークを活用してセキュアかつ効率的・効果的に編集・配信等を行う技術を確立し、広く利用者が豊かな映像環境を享受できる社会の実現に資するため、これら次世代型映像コンテンツを対象として、遠隔地間での遅延や品質劣化のない非圧縮素材による分散協調編集作業を可能とする制作支援技術や、セキュリティを確保しつつリアルタイムに全国規模で配信する技術の研究開発を平成17年度から行っている。 図表3-5-1 マルチコンテンツ利用技術の開発・実証