コラム 医療分野におけるユビキタスネット技術の利活用 医療分野の課題解決に向けたICTの利活用 〜ユビキタスネット時代の新しい医療の姿を提示〜  少子高齢社会の到来を迎えた我が国では、医療が果たす社会的役割はますます大きくなると予想されるが、医療をめぐる社会的状況は、医療費の増大、医療の安全性や効率性の向上等の様々な課題が指摘されている。  医療の実施現場においては、患者ニーズの多様化、医療の高度化・専門化等が進み、患者中心で質が高く効率的な医療サービスを提供する環境整備等を図ることが期待されている。 図表1 医療分野におけるICTに対する期待  ICTは、こうした医療分野が抱える課題解決に貢献できると期待されていながら、現状では期待されるほど利活用が進んでおらず、限定的な範囲での利活用にとどまっている。  そのため、総務省では、医療分野におけるICTの利活用を促進するため、医療分野でのICTの利活用の可能性等を多角的に検討することとし、平成17年10月から平成18年3月までの間、有識者、医療従事者、医療情報システムベンダー等で構成される「医療分野におけるICTの利活用に関する検討会」を開催し、報告書として取りまとめた。  本報告書では、ICTを広範囲に活用することにより、安心安全な医療を実現するユビキタスネット時代の新しい医療の将来像を「ユビキタス健康医療」と呼び、ユビキタス健康医療を実現するフィールドを医療機関内、日常生活圏、地域医療連携、災害・救急医療にわけて電子タグ等を活用した具体的なICTの利活用策を提示した。 図表2 ユビキタス健康医療の全体像 参考URL http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/iryou_ict/index.html