2 情報バリアフリー化の促進 〜年齢的・身体的な条件に基づくICT利用格差の是正〜 1 利用環境のユニバーサル化  情報社会の発展とともに、情報通信機器やウェブサイトを通じたサービスが広く利用されつつあり、高齢者や障害者にもこれらの機器やサービスが容易に利用できるよう、アクセシビリティの確保が必要となっている。このため、総務省では、情報アクセシビリティを確保するためのガイドライン等の策定・普及に取り組んできた。  特にウェブアクセシビリティに関しては、高齢者や障害者を含む誰もが公共分野のホームページやウェブシステムを利用することができるよう、平成16年11月から、「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」を開催し、平成17年12月に報告書を取りまとめ、具体的なウェブアクセシビリティ維持・向上のための運用モデルである「みんなの公共サイト運用モデル」を策定した。総務省では、引き続き、地方公共団体の担当者等を対象としたセミナーの開催等を通して、「みんなの公共サイト運用モデル2」の積極的な活用を促すための取組を継続的に進めていくこととしている。  このほか、ICT を活用した高齢者の社会参加を促すため、平成18年度から高齢者のユーザビリティに配慮したICT利活用環境の実現に向けた調査研究を実施する予定である。 2 高齢者・障害者の個別ニーズに合わせたICT利活用支援  総務省では、障害者がICTを利活用するに当たり身近な地域で信頼できる十分な支援が得られるよう地域における障害者のICT利活用支援の体制を確立することを目的として、平成16年5月から、「障害者のIT利活用支援の在り方に関する研究会」を開催し、平成17年9月に報告書を公表した。また、本報告書の提言を受けて、障害者のICT利活用支援の基盤となる情報収集・提供の在り方を検討することを目的として、同年11月から平成18年3月まで「ICT支援ポータルサイト」を公開し、その有用性について実証実験を行った。  同年には、高齢者・障害者がICTを用いて活躍する事例の収集やその定量的な分析を通じて、必要な支援等の在り方を検討するとともに、こうした検討の成果を広く普及することで、国民の理解や地方公共団体の取組を促進することとしている。  また、総務省では、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)を通じて、高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの開発を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対する支援や、身体障害者向け通信・放送役務の提供又は開発を行う者に対する助成及び情報提供を継続的に実施している。 3 字幕番組・解説番組等の充実に向けた取組  総務省は、視聴覚障害者等が放送を通して情報を取得し、社会参加をしていく上で必要な字幕番組・解説番組等の普及策を推進している。具体的には、字幕番組、解説番組や手話番組を制作する者に対し、その制作費の一部について助成を行っている。  なお、字幕番組については、平成9年に郵政省(当時)が作成した「平成19年までに新たに放送する字幕付与可能な全ての放送番組に字幕を付す」という普及目標を受けて、NHK及び民放キー局等がそれぞれ字幕拡充計画を作成しており、NHKが平成18年度までに100%、民放キー局が平成19年度までに80〜90%としている。総務省は、各放送事業者の字幕放送等の進捗状況の把握・公表等を行うことで自主的な取組を促進している。平成16年度の字幕付与可能な総放送時間に占める字幕放送時間の割合は、NHKでは89.5%、民放キー局では、55.0%となっている。 2 「みんなの公共サイト運用モデル」の詳細は以下を参照(http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/w_access/index.html)