(3) 知的活力の発現を目指す「ユニバーサル・コミュニケーション技術戦略」  総務省では、世界最先端のユビキタスネットワークを活用して知的創造活動を促進するコミュニケーションの技術、年齢・身体・言語・文化等の壁を乗り越え高齢者や障害者をはじめ人に優しいコミュニケーションの技術を実現するための研究開発を推進している。 1 ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会  ユビキタスネット社会において、複雑な操作やストレスを感じることなく、誰もが安心して安全に情報通信を利用できる環境を実現するためには、言語や文化、身体能力等のコミュニケーションの壁を打破できるユニバーサル・コミュニケーション技術の創出が不可欠である。  そのため、総務省では、平成17年4月から「ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会」を開催し、同年12月に最終報告書を公表した。  最終報告書では、当該技術に関する国内外の動向調査、将来の利用イメージ、その実現に向けた研究開発課題や推進方策等がまとめられ、産学官連携の下で総合的かつ長期的に当該技術の研究開発を推進する必要があることが提言された。 2 ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの研究開発  情報通信ネットワークの利用が生活・社会・経済に一層浸透し、誰もがネットワークを活用してICTによる恩恵を十分に享受できる社会を構築していくためには、複雑な操作感を感じることなく、安心して安全に情報通信を利用できるようにすることが必要であり、人間とネットワークとのインターフェースの重要性が増している。  そのため総務省では、平成15年度から平成17年度まで、「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発」として、ネットワークと連携した実用的な携帯型の多言語音声自動翻訳システムや映像コンテンツの光刺激等による生体への影響を防止する技術等、要素技術の確立を目指した研究開発を実施した(図表3-8-8)。 図表3-8-8 ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発の概要