3 国際標準化活動の推進  情報通信分野の国際標準化では、ITUが中核的な役割を果たしている。ITUにおいては、電気通信標準化部門(ITU-T:ITU Telecommunication Standardization Sector)及び無線通信部門(ITU-R:ITU Radiocommunication Sector)が標準化活動を行っている。 1 ITU-Tにおける取組  ITU-Tでは、電気通信における様々な技術課題に対する標準化作業を行っている。今会期(2005〜2008年)においては特に、現在の電話網に代わる次世代のオールパケット型ネットワークである次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)(図表3-9-6)や光伝達網等の標準化の推進や、新たな課題であるホームネットワーク及びネットワーク型電子タグ(RFID:Radio Frequency Identification)の標準化計画の検討が進められているところである。  また、具体的な標準化活動を行う研究委員会(SG)の議長・副議長に、我が国からは議長2名、副議長8名が任命されたほか、各課題の責任者にも多数任命されるなど、積極的に活動を行っている。 図表3-9-6 次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)の基本構成イメージ 2 ITU-Rにおける取組  ITU-Rでは、無線通信規則の改正、無線通信の技術・運用等の問題の研究や勧告作成及び周波数の割当・登録等を行っている。標準化に関しては現在、第4世代移動通信システム、広帯域無線アクセスシステム、緊急警報放送システム、防災無線システム等の標準化作業が進められている。我が国は、今会期(2003〜2007年)において4名のSG副議長をはじめ数多くの役職を引き受けるとともに、SG会合等に多数の専門家が出席する等積極的に貢献している。  ITU-Rでは、2007年10月にITU-R部門全体の作業方法の見直しや勧告及び次研究会期の研究課題の承認等を行うITU無線通信総会(RA-07)が開催される予定であり、これに向けて、各SG会合に対して寄与文書を提出する等継続的に貢献していくこととしている。