3 情報通信産業の現状と動向 (1)マクロ経済から見た情報通信産業の現状 ア 国内生産額  平成17年の情報通信産業の実質国内生産額は、前年比4.2%増の119.7兆円であった(図表1-1-24)。実質国内生産額は平成7年以降一貫して増加しており、平成7年から平成17年までの年平均成長率は5.4%であった。平成16年と比較すると、情報通信関連サービス業(対前年比10.7%増)、情報通信関連製造業(対前年比8.5%増)、研究(対前年比6.3%増)が高い伸びを示している。 図表1-1-24 情報通信産業の実質国内生産額の推移14  平成17年の情報通信産業の名目国内生産額は93.7兆円で全産業の9.9%を占めており、全産業の中で最大規模の産業となっている。次いで、卸売(6.9%)、建設(6.8%)が比較的大きな割合を占めている(図表1-1-25)。 図表1-1-25 主な産業の名目国内生産額15(内訳)(平成17年) イ 国内総生産(GDP)  平成17年の情報通信産業の実質GDPは対前年比7.9%増の66.8兆円であった(図表1-1-26)。情報通信産業の実質GDPは、平成7年以降一貫して増加しており、平成7年から平成17年までの年平均成長率は7.3%であった。平成16年と比較すると、情報通信関連サービス業(対前年比18.1%増)、情報通信関連製造業(同17.0%増)が高い伸びを示している一方、情報通信関連建設業(同2.6%減)、通信業(同1.9%減)、放送業(同1.5%減)はマイナス成長となった。 図表1-1-26 情報通信産業の実質GDPの推移16  また、平成7年から平成17年までの主な産業の実質GDPの推移を見ると、情報通信産業が年平均成長率7.3%で最も高い成長を遂げている。次いで、同期間に高い成長を示しているのは、電気機械(年平均成長率6.2%)、輸送機械(同2.3%)であった。一方、同じ期間で、建設(同−1.8%)、小売(同−1.7%)ではマイナス成長であった(図表1-1-27)。 図表1-1-27 主な産業の実質GDPの推移17 ウ 我が国の経済成長への寄与  我が国の実質GDP成長率に対して、情報通信産業は平成8年以降、一貫してプラスに寄与している。平成17年には、実質GDP成長率2.2%に対して情報通信産業の寄与度は0.9%、寄与率は42.4%であり18、情報通信産業は我が国の経済成長に最も大きな影響を与える産業である(図表1-1-28)。 図表1-1-28 実質GDP成長率に対する情報通信産業の寄与 エ 雇用者数  情報通信産業の雇用者数は平成12年をピークに減少が続いていたが、平成17年は前年から横ばいの378万人、全産業に占める割合は6.8%であった。  平成16年と比較すると、研究(対前年比3.1%増)、情報通信建設業(同1.9%増)、情報通信関連サービス業(同1.5%増)の雇用者数は増加している一方、情報通信関連製造業(同4.5%減)、映像・音声・文字情報制作業(同2.0%減)の雇用者数は減少している。  特に、情報通信関連製造業の雇用者数については、平成7年から平成17年までの年平均成長率は−5.0%であり、この10年間で急激に雇用者数が減少していることが分かる。一方、情報サービス業については同期間の年平均成長率が5.0%であり、平成9年以降、同部門の雇用者数は情報通信産業の中で一貫して最も多くなっている(図表1-1-29)。 図表1-1-29 情報通信産業の雇用者数の推移19 14 情報通信産業の実質国内生産額の詳細についてはデータ8を参照 15 主な産業の名目国内生産額の詳細についてはデータ1を参照 16 情報通信産業の実質GDPの詳細についてはデータ9を参照 17 主な産業の実質GDPの詳細についてはデータ4を参照 18 端数処理の関係上、計算結果は一致しない 19 情報通信産業の雇用者数の詳細についてはデータ10を参照