(2)情報通信産業の付加価値誘発効果 情報通信産業の付加価値誘発額を見ると、平成17年は対前年比4.2%増の約42兆円となった。平成7年から平成17年までの10年間で見ると、多くの産業の付加価値誘発額が減少あるいは横ばい傾向にある中で、情報通信産業の付加価値誘発額は、平成14年を除き増加が続いており、情報通信産業の経済全体に占めるウェイトが高まっていることが分かる(図表1-1-48)。図表1-1-48 主な産業の付加価値誘発額の推移 情報通信産業の各部門からの付加価値誘発額を、情報通信産業への波及と情報通信産業以外の産業への波及に分けると、情報通信産業自体への付加価値誘発額は平成7年以降、増加傾向にあり、中でも、情報通信産業の最終需要において最も大きな割合を占める情報通信関連製造部門からの付加価値誘発額は一貫して増加している(図表1-1-49)。図表1-1-49 情報通信産業の各部門から情報通信産業への付加価値誘発額の推移 一方、情報通信産業以外の産業への付加価値誘発額は、総額としては一進一退を繰り返している状態であり、この要因は、主に情報通信関連製造部門からの付加価値誘発額の減少にある。ただし、通信部門や情報サービス部門から情報通信産業以外の産業への付加価値誘発額は増加傾向である。通信部門や情報サービス部門の需要の高まりとともに、これらの需要を満たすため、情報通信産業以外の産業で生じる付加価値も高まっていると見られる(図表1-1-50)。図表1-1-50 情報通信産業の各部門から情報通信産業以外の産業への付加価値誘発額の推移