コラム SaaSの事例1:Salesforce.com  セールスフォース・ドットコムは、米国オラクルのセールス、マーケティング、製品開発等の部門で役員の経験をもつマーク・ベニオフ(Marc Benioff)が1999年(平成11年)に創業した企業であり、2004年(平成16年)6月にニューヨーク証券取引所に上場した。  顧客管理及び営業支援のためのSaaS型のCRMソリューション「セールスフォース(Salesforce)」を2000年(平成12年)4月から提供しており、2007年(平成19年)1月末現在、セールスフォースの利用は、全世界で2万9,800社、ユーザー数は64万6,000人に達している(図表)。 図表 セールスフォースの導入社数とユーザー数  セールスフォース・ドットコムの売上高は、2004年(平成16年)の9,600万ドルから、2005年(平成17年)には1億7,600万ドルになり、2006年(平成18年)には3億1,000万ドル、2007年(平成19年)には4億9,700万ドルと、4年間で5倍以上に増大している(※1)。  セールスフォースの特徴は、部門や役割ごとの異なるニーズに応じてユーザーごとに柔軟にカスタマイズできること、他システムとの連携、新規アプリケーションの作成を実現するオンデマンド・プラットフォーム「Apex」(※2)を提供していること、導入支援やトレーニング等を行うサポートサービス「サクセスフォース(Successforce)」を提供していること等にある。  セールスフォースは随時アップデートされ、提供されているのは常に最新のバージョンであるが、カスタマイズ情報はメタ・データとしてユーザーごとに管理されており、ユーザー側から見れば、互換性を気にすることなく常に最新の機能が利用できる。また、セールスフォース・ドットコム側から見れば、すべての利用者に同じバージョンでサービスを提供するため、運用管理コストを低減することができる。 ※1 セールフォース・ドットコムの期末は1月31日である ※2 ApexとはSalesforceの詳細なカスタマイズを可能にするJavaによく似たプログラミング言語である