2 海外の情報通信政策の動向 (1)米国の情報通信政策の動向 ア ブロードバンド普及の推進  2006年(平成18年)、米国ではブロードバンド普及促進に向け、電力線ブロードバンドを情報通信サービスに分類し非規制とするといった規制緩和や無線ブロードバンドサービスの提供に利用可能な高度無線サービス(AWS:Advanced Wireless Service)向けの1,700MHz帯の周波数オークションが同年9月に実施された。ブロードバンド加入者数は順調に増加しており、2006年(平成18年)6月末には、6,461万を超えている。米国では、ルーラル地域へのブロードバンド普及が課題となっており、地方自治体での取組も進展している。光ファイバによるブロードバンド網の構築も進展しており、2006年(平成18年)10月には600万世帯が利用可能となった。また、連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)は、電力線ブロードバンドに関する規則を改正し、普及促進を図っている。 イ 消費者保護等への対応  FCCでは、2006年(平成18年)に「公共安全・国土安全保障局」を新設し、消費者保護やセキュリティ関連への対応を強化している。これにより、プライバシー保護強化や子ども向けテレビ番組の影響に関する調査を開始し、迷惑ファックス防止法の施行規則を採択するなど、社会的規制の強化を行っている。議会でも、公衆安全関連の法案や緊急事態対策改善法案の審議、採決が行われた。  放送番組については、2006年(平成18年)6月には「放送品位維持法(Broadcast Decency Enforcement Act of 2005)」が施行され、罰則が強化されている。  スパムメールやテレマーケティング等の消費者保護については、連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)も対応を強化しており、今後の成果が期待されている。また、「Undertaking Spam、Spyware、And Fraud Enforcement With Enforcers Beyond Borders Act of 2006 (US SAFE WEB Act of 2006)」法案が成立し、連邦取引委員会によるスパム、スパイウェア、インターネット詐欺に関する米国から他国への情報提供等各種取組が促進されることとなった。