(4)韓国の情報通信政策の動向 ア ブロードバンドの動向  韓国のブロードバンド市場は2006年(平成18年)末時点で加入者数1,402万人となっている。市場の動向としては、これまで主流だったADSLから高速媒体への加入者移行が進展しており、同年からはFTTH導入が本格化の兆しを見せており、2007年(平成19年)には高速化・品質競争が更に進む見通しとなっている。  国内のブロードバンド網は2005年(平成17年)末までに農漁村地域全体の95%まで整備されており、情報通信部は、2006年(平成18年)から自治体・事業者と費用共同負担で50世帯未満の村落地域までサービスエリアを拡大し、2007年(平成19年)末までにブロードバンド・ゼロ地域解消を達成する計画としている。 イ 規制緩和のための「通信規制ロードマップ」  韓国では2005(平成17)〜2006年(平成18年)にかけて、移動体向けデジタル放送の衛星・地上波モバイル放送(DMB)、HSDPA(3.5G)、WiBro(韓国の無線アクセス、WiMAX)等の新サービスが相次いで開始された。これらの新サービス活性化と新市場創出のための規制環境整備が急務とされている中で、情報通信部は2007年(平成19年)3月に規制緩和計画、「通信規制政策ロードマップ」を発表した。ロードマップの目玉となる規制緩和政策は次のとおりとなっている。 [1]バンドル・サービス規制の緩和  2007年(平成19年)7月から市場支配的通信事業者(固定通信最大手のKTと移動通信最大手のSKテレコム)のバンドル・サービスへの10%までの割引料金適用を認める。 [2]通信役務分類体系の改善  固定電話、移動電話、ブロードバンド等に細分化されていた基幹通信役務を単一役務に統合する。関連法律改正案は2007年(平成19年)中に国会提出する。 [3]VoIPサービス活性化  2008年(平成20年)中に既存の市内電話番号とVoIP間の番号ポータビリティを導入する。VoIP加入者も従来の市内電話番号の持ち運びが可能になる。 [4]端末補助金規制の緩和  2006年(平成18年)3月から限定解除された移動電話端末への補助金支給を2008年(平成20年)3月に全面自由化する。