(3)電気通信サービスにおける安全信頼性の確保 ア 安全・信頼性の確保  総務省では、情報通信システムの安全・信頼性対策に関する指標として「情報通信ネットワーク安全・信頼性基準」(昭和62年郵政省告示第73号)を策定し、電気通信事業者による同指針の活用の促進を図っているところである。  しかしながら、ネットワークのIP化が進展し、新しいICTサービスの利用が拡大する中で、昨今、これらのサービスにおける通信障害等の事故件数が増加する傾向にある。  また、事故の特徴についても、従来のネットワークと異なってきており、 [1] 人為的要因による事故の増加 [2] ソフト的な不具合に起因する事故の増加 [3] 事故の大規模化と復旧の長時間化 といった傾向が表れてきている。  このような状況を踏まえ、平成18年8月から、ネットワークのIP化に対応した安全・信頼性対策について、情報通信審議会において審議がなされているところである。 イ 重要通信の確保  火災、事故、人命に関わる事態における救援、救助等に直接関係ある機関等が行う通信や治安の維持のために緊急を要する事態における警察相互間の通信等の重要通信については、災害等の非常時においても、その疎通を確保する必要がある。重要通信の確保については、従前から、電気通信事業者により、 [1] 電気通信設備の安全・信頼性対策 [2] 通信の輻そう対策 [3] 通信手段の確保 等の観点から対策が講じられてきているが、近年、ネットワークのIP化、情報通信サービスの高度化、多様化の進展や、重要通信に対するニーズの変化に対応していくことが求められており、上記の審議会の中で審議されたほか、緊急通報高度化の制度整備を行った。 ウ 緊急通報機能等の高度化  携帯電話やIP電話からの緊急通報が急増していることから、総務省では、平成15年11月、情報通信審議会に「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」について諮問し、同審議会から、 [1] 「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」(平成16年6月) [2] 「IPネットワークにおける緊急通報等重要通信の確保方策」(平成17年3月) について答申を受けた。  これらを踏まえ、総務省は、平成18年1月に関係省令及び告示の改正を行い、電気通信事業者が緊急通報を取り扱う場合においては、 [1] 携帯電話については、GPS(Global Positioning System)等を利用した位置情報(緯度経度等)を緊急通報受理機関へ通知すること [2] 固定IP電話については、住所情報等を緊急通報受理機関へ通知すること とし、平成19年4月から施行したところである。