(2)完全デジタル元年の着実な実施  日本では、平成19年末には、ブロードバンドの契約数が2,830万を超え、携帯電話の契約数も1億を超えるなど、ブロードバンドや携帯電話は、社会経済活動を支える重要な社会インフラとなっている。特に、過疎地域をはじめとする条件不利地域等においては、ブロードバンドや携帯電話が、地方出身者のUターン及びJターン、都市部出身者のIターン7による定住促進や企業誘致等の地域活性化に必要不可欠な社会インフラであるとの認識が高まりつつある。  また、平成15年12月に、東京、名古屋、大阪で開始された地上デジタル放送は、平成23年(2011年)7月にアナログ放送を終了しデジタル放送への全面移行を完了するための最終段階に入っている。地上放送のデジタル化により、視聴者は、ハイビジョンの臨場感にあふれた高精細の映像や高音質の音響によるテレビ番組を視聴することが可能となるだけでなく、データ放送や携帯端末向け放送を活用した新しいサービスを享受することが可能となり、身近で簡便な情報端末であるテレビを、家庭におけるユビキタスネット社会への入り口とする意義を有する。  こうした背景から、我が国においては、2011年に「完全デジタル元年」を着実に迎えるべく、現在、様々な取組を実施している。政府は、「IT新改革戦略」(平成18年1月、IT戦略本部決定)において、2010年度を目標年度として、ブロードバンド・ゼロ地域を解消する旨の目標を掲げるとともに、地上デジタル放送については、2011年7月までに全面移行を実現する旨の決定を行い、各種施策等を進めているところである。また、携帯電話の不感地帯解消について、政府は、「重点計画2007」(平成19年7月、IT戦略本部決定)において、2006年度から2008年度末までの3年間で、過疎地域等の条件不利地域において、新たに20万人以上が携帯電話を利用可能な状態にするという整備目標を設定し、官民一体となって携帯電話のエリア整備を進めている状況にある。 7 Uターンは、地方出身者が都市部から出身地に戻ること、Jターンは、地方出身者が都市部から出身地ではない地方に移り住むこと、Iターンは、都市部出身者が地方に移り住むことを指す