(3)世界の情報通信関連輸出における我が国のプレゼンス ア 端末・機器  世界の輸出額に占める各国・地域の輸出額のシェアは、各国・地域の生産拠点としての競争力を示す一つの指標になると考えられる。情報通信関連端末・機器における日本の輸出額シェアは、デジタルカメラでは30.4%と比較的高いシェアを占めるものの、携帯電話機、ネットワーク機器(ルーター等)、テレビ、ビデオ機器(DVDレコーダー等)、放送送信機、デスクトップパソコン、ノートパソコン、サーバー、ストレージにおいてそれぞれ0.5%、2.1%、3.2%、4.5%、1.0%、0.5%、3.2%、1.1%、1.3%となっており、いずれも5%に満たない。モバイルインフラ、コピー機、プリンターではそれぞれ7.3%、9.7%、11.2%となっている(図表1-2-2-66)。 図表1-2-2-66 世界の情報通信関連端末・機器における地域別輸出額シェア(2007年)  端末・機器では、ストレージ及び放送送信機以外でいずれも中国が圧倒的な輸出額シェアを占めていることから、中国が世界の生産拠点としての地位を確立していることがうかがえる。北米は、企業シェアでは高いシェアを占めていた製品が多かったが、輸出額シェアでは企業シェアほどのシェアを占めていない製品が多いことから、生産拠点の多くを中国等の海外に置いていることがうかがえる。 イ デバイス  情報通信関連デバイスにおける日本の輸出額シェアを見ると、放送機器用デバイス、メモリー、ディスクリート半導体においてそれぞれ15.8%、10.9%、17.3%と10%を超えているほか、通信機器用デバイス、プロセッサー、その他半導体デバイス、テレビ用ディスプレイにおいても6.8%、8.7%、9.5%、9.6%と10%近いシェアを占めており、全体的には端末・機器よりも輸出額シェアが高い傾向にあるといえる。ただし、コンピュータ用デバイス及びパソコン用ディスプレイにおいてはそれぞれ3.0%、3.3%と、5%を下回っており、情報システム関連において弱みがあると考えられる(図表1-2-2-67)。  デバイスにおいても全体的に中国の輸出額シェアが高いが、半導体デバイスでは韓国、台湾等を含むアジア太平洋のシェアが高くなっている。 図表1-2-2-67 世界の情報通信関連デバイスにおける地域別輸出額シェア(2007年)