(6)情報の対価に関する意識とメディア  情報の対価という観点から、各メディアを利用して情報を入手するために、料金支払あるいは広告視聴の形で対価を払っているという意識があるか尋ねた(図表1-3-2-7)。「料金を支払っているという意識がある」との回答が高いメディアは、新聞、雑誌・書籍で、それぞれ60.6%、54.3%の回答があった。通常、新聞や雑誌・書籍については、新聞購読費や雑誌・書籍代等の形でメディアを利用するに際して料金を支払うことから、料金の支払に対する意識が高いと考えられる。一方で、ラジオでは67.4%の人が、テレビ、パソコン、携帯電話ではそれぞれ47.2%、47.1%、46.1%の人が、「料金の支払や広告を視聴するといった意識は特に感じていない」と回答している。地上波民間放送やパソコン・携帯のウェブサイトでは、広告視聴によりコンテンツを入手する形態が一般的であるが、いずれにおいても「広告を視聴しているという意識がある」との回答よりも、「料金の支払や広告を視聴するといった意識は特に感じていない」との回答が上回っており、広告を視聴することが情報入手の対価であるという意識はあまりない傾向が読み取れる。 図表1-3-2-7 情報の対価に対する意識  また、各コンテンツを入手するための支出に対する考え方を尋ねたところ、「高い支出を伴ってでも、情報の入手には支出をいとわない」との回答で最も多かったものは、教育・教養・実用の14.9%、次いでニュースの11.5%であった(図表1-3-2-8)。それでも回答は1割程度にとどまっており、情報の入手に対する高い支出には否定的な傾向が強いことが分かる。また、「安い支出であれば有料で情報を入手するが、高い支出であれば情報を入手しない」との回答は、映画、教育・教養・実用、音楽で半数を超えており、それぞれ59.4%、56.9%、55.4%であった。正確性や客観性といった内容の「質」が重視されるニュースや教育・教養・実用、また、芸術性の高い映画や音楽では、支出に対して肯定的な回答が多い一方、娯楽性の高いコンテンツであるギャンブル、ゲーム、アニメ・漫画では、「どのような場合であっても、情報の入手には支出をかけたくない」とする回答が多くなっている。 図表1-3-2-8 コンテンツ入手のための支出に対する考え方