コラム ブログ開設者の開設動機等の分析  ブログの機能については、当初のコメントやトラックバックといったコミュニケーション機能のほか、現在ではアフィリエイト等、収益に結び付く様々な機能が付加されてきており、ブログを開設する目的や態様についても多様化してきていると考えられる。  ブログ開設経験者を対象としたアンケート調査を行ったところ、[1]自己表現、[2]コミュニティの形成、[3]社会貢献、[4]収益目的、[5]アーカイブ型利用の五つが開設の動機として重視される傾向にあることが分かった1。  自己表現を重視するグループは、ブログで自己の心情・意見や事実・体験等を記述することにより、自分と向き合ったり、ストレス解消等の内面的な効用を得ることを強い動機としており、全体の約3割が該当する(図表1)。ブログが、元々ウェブ日記と言われていたように、日付単位で記事を投稿できるため、電子日記的なブログの用途が高いことがうかがえる。年代別には10代、20代の若年層の割合が高い傾向がある(図表2)。 図表1 ブログ開設動機による分類 図表2 ブログ開設動機別の年代別傾向  また、全体の1/4は、自己の関心分野を中心としたコミュニティを形成することを強い利用動機としている。ブログのテーマとしては、「子育て」の割合が高い傾向があり、ブログの持つコミュニケーション機能が積極的に活用されている面がうかがえる(図表3)。 図表3 ブログ開設動機別のテーマ別傾向  社会貢献に関しては、自己の知識や経験に基づく情報を発信し、社会に貢献することを特に重視しており、全体の1割弱を占める。ブログのテーマとしては、「マネー・金融」、「医療・介護」、「地域」の割合が高く、様々な分野の豊富な経験・知識を有する40代以上の割合が高い傾向がある。情報発信メディアとしてブログが活用されていることがうかがえる。  収益を目的としたものに関しては、自分の専門分野に関する情報を提供し、アフィリエイト等による収益を得ることを特に重視しており、全体の約1割が該当する。テーマでは特に「マネー・金融」や「コンピュータ・IT」等専門的な分野や「地域」の割合が高く、年代別では10代と40代の割合が高い傾向がある。  アーカイブ型利用については、自己の関心分野に関する様々な情報を整理、蓄積することを重視しており、全体の約1/4を占める。車・バイク、旅行等、「趣味」に関するテーマの割合が高く、年代別では、30代と60歳以上の割合が高い傾向がある。 1 アンケート調査概要及び分析手法については、付注9参照