(3)地域におけるICT利活用の推進 ア 地方の活性化とユビキタスネット社会に関する懇談会  総務省では、地域ユビキタスネット社会の創造を通じて地方の社会経済の活性化等を図るための具体的課題及び方策を検討する場として、平成18年11月から平成19年6月までの間、「地方の活性化とユビキタスネット社会に関する懇談会」を開催し、平成19年9月に報告書を公表した。  同報告書では、「ICTの活用により、地域の諸課題の自立的解決が図られる、開かれたコミュニティ」であるユビキタス・コミュニティの構築には、[1]地域ICT基盤の整備、[2]地域ICT利活用の促進、[3]地域ICT人材の育成といった取組を一体的に推進していく必要があり、併せてそのための新たな推進体制を確立することが重要であるとの提言がなされている。 イ 地域ICT利活用モデル構築事業  総務省では、地域経済の活性化や少子高齢化への対応等地域が抱えるそれぞれの課題について、ICTの利活用を通じてその解決を促進するためのモデル的取組を委託事業として実施することにより、地域のユビキタスネット化等の促進を図ることを目的として、平成19年度から「地域ICT利活用モデル構築事業」を創設したところである。  同事業は、 [1] 地方公共団体に対し、ICTの利活用による地域課題の解決や住民の利便性の向上に資する汎用的なICT利活用モデルの構築を委託する [2] 委託先は、モデルを構築し、その成果物を国に提出する [3] 国はその成果物を必要に応じて他の地方公共団体に提供することにより、モデルの全国展開を図る ものであり、平成19年度はICTを利活用した地域課題の解決モデルの構築を29団体に委託したところである。 ウ 地域情報プラットフォームの普及促進  総務省は、地方公共団体等の情報システムが相互に接続・連携できるようにあらかじめ各々のシステムが準拠しておくべきルールを定めた標準仕様「地域情報プラットフォーム」の普及を推進しており、これまで、地方公共団体等のシステム間の連携を可能とする技術の開発を進めるとともに、標準仕様等の策定を行ってきたところである。地域情報プラットフォームの活用によって、引越や退職等のライフイベントに対応したワンストップサービスの提供や、防災をはじめとした公共サービスの共同展開を効率的に進めることができると期待されている。  平成19年度末に地方公共団体間、地方公共団体−民間団体間のシステム間連携を確保するための「地域情報プラットフォーム標準仕様書V2.0」が策定され、公表されているほか、公共アプリケーションの共通利用を可能とする「防災、医療・健康・福祉、教育の各アプリケーション基本提案書」が策定され、公表されている。  今後は、標準仕様等に準拠したシステムの早急な実用化を図るため、引越分野等について実証実験を行い、様々な運用面の課題の抽出とその解決方策の提示を行うこととしている。