第5節 研究開発の推進 1 我が国の国際競争力を強化するための研究開発戦略  総務省においては、我が国の研究開発政策の根幹である第3期科学技術基本計画のほか、今後のユビキタスネット社会の実現に向けて策定された「UNS戦略プログラム」(平成17年7月情報通信審議会答申)に基づいて研究開発を推進している。  また、我が国の国際競争力を強化する観点から、平成20年6月には「我が国の国際競争力を強化するためのICT研究開発・標準化戦略」が情報通信審議会答申として取りまとめられた。このため、今後、総務省における研究開発は、そのうちの研究開発戦略である「UNS研究開発戦略プログラムII」に基づいて推進していくこととなる。  「UNS研究開発戦略プログラムII」(UNS: Universal Communications, New Generation Networks, Security and Safety for the Ubiquitous Network Society)は、「UNS戦略プログラム」を基礎としつつ、我が国の国際競争力の強化のほか、国民の生活・安全の確保、地球温暖化への対処といった課題により適切に対処する観点から策定された。その内容は研究開発課題とその目標等を明確に設定した研究開発ロードマップと、今後我が国が積極的・重点的に取り組んでいくべき研究開発課題の明確化を含めた研究開発推進方策から構成されている。  「UNS研究開発戦略プログラムII」では、研究開発課題は以下の3つの領域に分類されるほか、この3つの領域すべてにまたがる「地球環境保全(地球温暖化対策技術)」分野が新たな研究開発分野として追加された。 [1] 「新世代ネットワーク」領域 [2] 「ICT安心・安全」領域 [3] 「ユニバーサル・コミュニケーション」領域  今後、独立行政法人情報通信研究機構をはじめとして、産学官が一層連携を強化して、「UNS研究開発戦略プログラムII」を踏まえ研究開発を効果的かつ効率的に実施していくことが求められる。  以下、この三つの領域における研究開発施策及び「UNS研究開発戦略プログラムII」を推進するための研究開発環境の整備について述べる。 図表3-5-1-1 UNS研究開発戦略プログラムII(3つの領域と11の研究開発分野)