(1)宇宙通信技術の研究開発  総務省では、安心・安全な社会の実現に向けて、大規模災害等における住民等への災害情報の伝達や救助活動等に不可欠な通信の確保、また、デジタル・ディバイド解消等に向けた技術や地球温暖化対策としてのリモートセンシング技術等の確立を目的に衛星通信システムの研究開発を推進している。  まず、通信・放送分野では、13m級大型展開アンテナ等を搭載した技術試験衛星VIII型(ETS-VIII:愛称「きく8号」)の成果を基に、山岳地帯や大規模災害時等、携帯電話の不通地域においても利用できる地上/衛星共用携帯電話システムの研究開発を実施している。また、デジタル・ディバイド解消、衛星利用の高度化等に必要なギガビット級インターネット通信技術の確立を目的とした超高速インターネット衛星(WINDS:愛称「きずな」)を利用し、災害対策、高画質の遠隔医療等の国内実験及びアジア・太平洋地域の各国と協力した国際共同実験を推進することとしている。さらに、測位分野では、高精度な測位サービスの提供を可能とする準天頂衛星システムの研究開発において、時刻を高精度に管理する技術の研究開発を実施している。