(1)生産要素(資本及び労働)の投入増 ●情報通信は資本や労働の投入増を通じて成長に寄与  「経済力」の第一の経路として、生産要素の投入増を通じた成長への寄与が考えられる。投入を増やせば生産が増えるのは当たり前ではあるが、人口減少時代を迎えた日本にとっては、今後長期的に労働力人口の減少をどう補うかが大きな課題である。  この第一の経路において、情報通信が生産要素の投入増に寄与する具体的な方法としては、例えば以下が挙げられる。 A)【資本投入の量】 情報化投資を増やすことで情報資本の蓄積が進み、資本ストックの総量が増加する B)【資本投入の質】 情報化投資を増やすことで、旧来型の社会資本と比べて生産力の高い情報資本の資本全体に占める比率が上昇する C)【労働投入の量】 情報基盤が整備されるとともに柔軟な雇用形態を許容することで、テレワーク(遠隔勤務)が普及し、女性や高齢者等の労働参加が進み、労働力人口を下支えする D)【労働投入の質】 情報システム等の情報資本の蓄積が進むことで単純労働を代替することが可能になるとともに、高技能労働を補完する環境が整い、高技能労働への需要が高まる