第1節 課題に直面する日本の情報通信  平成20年後半以降の「100年に一度」と言われる世界同時不況は、日本の情報通信産業に対しても大きな負の影響を及ぼしつつある。ただし、これは世界的な需要の急激な落ち込みという短期的要因によるものであり、危機的な環境の下で、日本の情報通信産業が抱える中長期的な課題を克服するための改革に取り組むチャンスでもある。 本節では、このような視点から、世界不況による日本の情報通信産業への影響や中長期的課題を分析するとともに、市場や企業の動向から垣間見える将来の成長に向けた情報通信のダイナミズムに着目する。