11 医療のICT利活用の推進  我が国の医療現場においては、医療従事者の業務負担の増大により医療過誤も多く報告されているほか、高齢化社会の進展に伴い国民医療費の急速な伸びが予想されており、その抑制のためにも生活習慣病対策等の必要性が高まっている。  これらの課題の解決に資するため、総務省では、平成21年度から医療の安全性向上や業務の効率化等に向けた電子タグやセンサーネット等のユビキタスネット技術の高度利用による活用方策についての技術的実証を厚生労働省と連携して行っている。また、平成20年度から22年度の3か年計画で、厚生労働省及び経済産業省と連携の上、個人の健康情報の有効活用により、医療機関間の継続性ある医療の提供や日常的な健康増進対策に資する健康情報活用基盤の構築に向けた実証事業を行っている(図表5-4-11-1)。 図表5-4-11-1 健康情報活用基盤実証事業の概要  また、近年、地方における医師不足等が指摘されている状況を踏まえ、地域医療の充実に資する遠隔医療技術の活用方法と、その推進方策について検討することを目的として、平成20年3月から、「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」(総務大臣・厚生労働大臣共催)を開催し、同年7月に、中間取りまとめを公表した42。  同懇談会では、 [1] 地域医療が抱える課題と地域のニーズ [2] 課題解決に資する遠隔医療モデルの内容 [3] 遠隔医療モデルの推進に向けた課題 等について引き続き検討を行っている。  さらに、平成20年度の「ICT利活用モデル構築事業」において、遠隔医療モデルプロジェクト、医療・福祉・介護プロジェクトの公募を行っている。これは、総務省が地方自治体に対し、遠隔医療や医療・福祉・介護の事業テーマについて、「地域ICT利活用モデル」(情報通信システムの企画・設計・開発、継続的運用及びそれに必要な体制づくり等ICTを活用した課題解決のための一連の取組)の構築を委託するものである。 42 参考:遠隔医療の推進方策に関する懇談会:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/telemedicine/index.html