(2)英国 ア SOGE(Sustainable Operation on the Government Estate)及びGreening Government ICT ●英国政府におけるグリーンICTを、政府CIOの主導の下に推進  SOGEとは、英国政府機関全てを対象とした、政府の設備や活動で消費するエネルギーを削減する取組の総称であり、2010年度までに政府機関でのCO2排出量を2007年レベルから12.5%削減することを目標としている。  さらにSOGEの目標達成のために、2012年までに政府機関でのICTをカーボンニュートラル化9することを目標に、英国政府機関で使うICTの省エネルギー化を推進する取組であるGreening Government ICTを推進している。具体的には、政府CIOの主導により日常業務における省エネルギー化を継続的に実施しており、その際にグリーンICTスコアカード(Green ICT Scorecard)として300個以上の評価項目に基づいて活動状況を測定・評価している。 イ CRC(Carbon Reduction Commitment) ●国内の民間・公共セクターの大規模事業者に排出量取引を義務化  CRCとは、英国内の民間・公共セクターの企業・団体におけるオフィスビル、商業ビル、ホテル、病院等の業務用建築物の運用時のエネルギー消費量を対象とした義務的排出量取引制度である。2010年4月から3年間の試行期間を経て、その後、本格的に導入される予定となっている。具体的には、年間 6,000MWh以上の電力を消費(電気料金で換算すると約100万ポンド(約1億5,000万円))している組織が対象となる。  さらに、各企業・団体の排出枠は毎年の入札で決定される上、クレジット10の価格についても3年間の試行期間中のみCO2 1トンあたり12ポンド(約1,800円)と固定されるが、その後は毎年入札で決定される。なお、入札益は年間約7億5,500万ポンド(約1,133億円)程度が想定され、これらは全て参加者に還元される。 9 生産活動などで生じるCO2の排出量を植林や自然エネルギーの導入などによって実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのこと 10 排出量削減が行われていない排出源へ排出量削減投資を行うことにより取得できる単位の呼称。クレジットの量は一般的に、その投資が無かった場合にその排出源から発生していたと思われるベースライン(Baseline) の推定排出量に照らした排出削減量となる