(3)水揚げ情報のリアルタイム配信によるトラック輸送の最適化(岩手県、いわてNPO事業開発センター) ●現場、地域NPO、自治体が一体となって、携帯電話を活用した水産物の輸送効率化を実現  岩手県沿岸は、リアス式海岸による静穏な水域であることから豊富な地域資源を有している。具体的には、ワカメやコンブ等の養殖に適している他、岩礁域はアワビやウニ等の磯根(いそね)資源に恵まれている。このような背景の下、岩手県、岩手県生産地魚市場協議会、NPO法人いわてNPO事業開発センターが連携することにより、岩手県内魚市場による水産加工業者等を対象とした、携帯電話を活用した水揚げ情報のリアルタイム配信サービス(図表2-2-2-4)を実現した。この結果、水揚げ日に必要な輸送トラックの台数を事前に把握できるようになり、輸送・仲買業務の効率化、輸送トラック台数の抑制が実現され、さらにCO2排出量の削減につながった。 図表2-2-2-4 水揚げ情報のリアルタイム配信サービス イメージ図:総務省「ICT利活用による地域活性化と国際競争力強化に関する調査」 サービス画面:(出典)国土交通省「農林漁業現地事例情報「地域のITを取り入れた農林水産業の取組事例」」 http://www.maff.go.jp/j/finding/zirei/08_it/pdf/019.pdf  本取組の特徴としては、現場、地域NPO、自治体が一体となって取組を行っている点、ステークホルダー間をつなぐコーディネーター的人材が中心となって取組を行っている点、ブログやメール等、簡易なシステムを活用することで、費用を抑えている点があげられる。  岩手県、いわてNPO事業開発センターは水揚げ情報のリアルタイム配信サービス以外にも、地域資源の良さを発信するブログ(魚ログ)等のサービスを提供しており、今後は地域資源を販売する電子商取引サイトも運営する予定である。