(3)電気通信サービスにおける安全・信頼性の確保 ア 安全・信頼性の確保  総務省では、電気通信サービスの安全・信頼性を確保するため、法令において設備の技術基準を定め、これを担保するために電気通信主任技術者の選任義務や管理規程の届出義務を課し、さらには、ガイドライン(「情報通信ネットワークの安全・信頼性基準」(昭和62年郵政省告示第73号))の活用の促進を図ってきた14。  ネットワークのIP化が進展し、様々な新しいIP系サービスの利用が拡大する一方で、IP系サービスにおける通信障害が増加、大規模化、長時間化するなどの傾向にあることを受け、平成20年4月に「IPネットワーク管理・人材研究会」を開催し、平成21年2月に最終報告書を取りまとめ、公表した。  総務省は、平成22年2月に当該報告書を踏まえ、電気通信事業者に課している事業用電気通信設備の監督を行う電気通信主任技術者の選任の要件を見直し、複数の都道府県を業務区域とする場合には、設備を直接管理する事業場への選任に加え、原則、設備を設置する都道府県ごとに電気通信主任技術者を選任することを義務付けるため、電気通信主任技術者規則(昭和60年郵政省令第27号)の一部改正等を行った。  また、当該報告書において、IP化の進展に対応した電気通信主任技術者に求められるスキルを具体的かつ体系的に整理、公表することで、人材の育成・確保に役立てることが必要であるとの提言がなされたことを受け、平成22年10月に「電気通信主任技術者スキル標準」を公表した。 イ 公共ブロードバンド移動通信システムの推進  現在、災害等の現場において使用される警察、消防・救急等の公共通信システムは音声が中心であるが、被災地等の正確な情報の共有のため、機動的かつ確実に映像伝送を行う手段が求められている。  そこで総務省では、平成19年6月の情報通信審議会一部答申を踏まえ、地上テレビジョン放送のデジタル化により空き周波数となるVHF帯の一部について、安全・安心な社会実現のためにブロードバンド通信が可能な自営通信を導入することとし、平成21年4月に「公共ブロードバンド移動通信システムの技術的条件」について情報通信審議会に諮問した。平成22年3月の情報通信審議会の答申に基づき、平成22年8月には、公共ブロードバンド移動通信システムの導入に必要な関係規定の整備を行ったところである。 14 参考:「情報通信ネットワークの安全・信頼性基準」:http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/anshin/kijyun.html