（2）固定通信

ア　固定電話市場9

●固定電話（東・西NTT加入電話、直収電話、CATV電話及び0ABJ型IP電話）市場における全加入契約数は緩やかな減少傾向

　固定電話（東・西NTT加入電話、直収電話、CATV電話及び0ABJ型IP電話）市場における全契約数は24年3月末時点で5,691万（前年比1.0％減）であり、引き続き減少傾向となっている。
　固定電話市場の全契約数が全体として減少傾向にある一方、0ABJ型IP電話は増加傾向にあり（前年比17.1％増）、固定電話市場全体に占める割合も36.8％となっている（図表4-5-2-8）。

図表4-5-2-8　固定電話の加入契約者数の推移
総務省「電気通信サービスの加入契約数等の状況（平成24年3月末）」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000122.html

　また、加入電話及びISDNの事務用と住宅用それぞれの傾向をみると、事務用、住宅用の加入電話、ISDNともに加入契約数が減少している10 （図表4-5-2-9）。

図表4-5-2-9　NTT固定電話サービスの推移
東・西NTT資料により作成

イ　公衆電話

●公衆電話施設数は一貫して減少

　平成23年度末における東・西NTTの公衆電話施設数は、減少が続き、23.1万台（前年度末比8.6％減）となっている。これは、携帯電話の急速な普及により、公衆電話の利用が減少していることが背景にある（図表4-5-2-10）。

図表4-5-2-10　東・西NTTにおける公衆電話施設構成比の推移
東・西NTT資料により作成

ウ　IP電話の普及

●0ABJ型IP電話の利用数は平成23年度末で2,096万件であり、増加傾向が顕著である

　IP 電話サービスは、インターネットで利用されるIP（Internet Protocol）を用いた音声電話サービスであり、ブロードバンド（インターネット）サービスの付加サービスの形態を中心に提供されている（図表4-5-2-11）。
　IP 電話は付与される電話番号の体系の違いによって次の2つに大別される。

図表4-5-2-11　IP電話の利用状況
総務省「電気通信サービスの加入契約数等の状況（平成24年3月末）」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000122.html

（ア）050型IP電話
　050番号を用い、インターネット接続サービスの付加サービスとして提供され、同じプロバイダもしくは提携プロバイダの加入者間の通話料は無料であることが多い。一方で、緊急通報（110、119等）を利用できない点や、通話品質の基準が加入電話に比べて低いといった点もある。
　平成23年度末における利用数は、753万件となっている。

（イ）0ABJ型IP電話
　0ABJ型IP電話は、加入電話と同じ0ABJ番号を用い、加入電話と同等の高品質な通話や緊急通報（110、119等）を利用できるなどの特徴がある。

　平成23年度末における利用数は、2,096万件あり、増加傾向にある。


9　「電気通信分野における競争状況の評価2010」においては、固定電話領域におけるサービス市場の画定については、各々の市場における利用者の用途、市場の需要代替性の有無等を勘案し、加入電話については、東・西NTT加入電話、直収電話、CATV電話及び0ABJ型IP電話の各サービスをあわせて1つの市場とみなし、「固定電話市場」としている。
10　事務用と住宅用の加入者数は東・西NTTに関する状況のみを示している。