(2)トラヒックの状況 ア 我が国の総トラヒックの状況 (ア)インターネットのトラヒック ●我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは、平成23年11月時点で平均約1.70Tbpsに達し、平成19年5月時点と比較すると2.7倍に A ブロードバンド契約者のトラヒックの推移  平成23年11月時点の国内ISP6社19 のブロードバンド契約者のトラヒックについては、ダウンロードトラヒック(OUT)が月間平均で744.5Gbps(前年度比25.6%増)となり、増加傾向が強まっている。一方で、アップロードトラヒック(IN)は平成22年5月から減少傾向が続いている。これは、映像や音楽コンテンツ入手方法がP2Pから映像配信等のウェブサービスへ移行したことが背景となっているためと考えられる。そのため、ダウンロード(OUT)とアップロード(IN)の比は2.5倍(前年度は1.9倍)と差が広がっており、ダウンロード型の利用が中心である(図表4-5-3-9)。 図表4-5-3-9 我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000031.html B ISP間で交換されるトラヒックの推移  国外ISPと国内ISP6社間で交換されるトラヒックについて、国外のISP6社が国内主要IX20(インターネットエクスチェンジ: Internet Exchange)以外で国外のISPと交換するトラヒック(498.5Gbps)と、国内主要IX以外で国内ISPと交換するトラヒック(265.1Gbps)を比較すると、平成23年11月時点で1.9倍となっており、海外から流入するトラヒックの割合が高まっている(図表4-5-3-9)。 C 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推定  国内ISP6社のブロードバンドサービス契約者(DSL, FTTH)のトラヒック〔A1〕と、我が国のブロードバンド契約数における国内ISP6社の契約数のシェアから、我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックを試算した。その結果、平成23年11月時点では平均で約1.70Tbpsのトラヒックがインターネット上を流通していることがわかった。同トラヒックは平成19年5月と比較して2.7倍になるなど、近年のインターネット上のトラヒックの飛躍的な増加を示している(図表4-5-3-9及び図表4-5-3-10)。 図表4-5-3-10 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推移 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000031.html (イ)移動通信のトラヒック ●年間2.2倍のペースで移動通信トラヒックが増加  近年、データ通信を中心としたトラヒックの増加が移動通信システムに係る周波数のひっ迫の大きな要因となっていることに鑑み、移動通信事業社6社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、UQコミュニケーションズ、Wireless City Planning)の協力を得て、移動通信のトラヒック量(非音声)のデータを集計・分析した。平成24年3月現在の、移動通信のトラヒックは、平均234.8Gbpsとなり、ここ1年で2.2倍に増加している(図表4-5-3-11)。 図表4-5-3-11 我が国の移動通信の月間平均トラヒックの推移 総務省「我が国の移動通信トラヒックの現状」により作成 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html イ 時間帯別トラヒックの推移 (ア)一週間の推移  ISP6社のブロードバンド契約者の時間帯別トラヒックの一週間の推移をみると、全ての曜日において年々増加している。移動通信のトラヒック推移についても同様に全ての曜日において増加傾向となっている(図表4-5-3-12及び図表4-5-3-13)。 図表4-5-3-12 ISP6社のブロードバンド契約者のトラヒックの推移 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000031.html 図表4-5-3-13 移動通信トラヒックの推移 総務省「我が国の移動通信トラヒックの現状」により作成 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html (イ)曜日別の変化  ISP6社のブロードバンド契約者の時間帯別トラヒックの曜日別変化をみると、21時から22時がピークの時間帯となっており、休日は朝から昼にかけて急激に増加し、その後夕方にかけて微増している(図表4-5-3-14)。 図表4-5-3-14 ISP6社のブロードバンド契約者のトラヒックの曜日別変化 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000031.html  一方、移動通信トラヒックの曜日別変化をみると、平日は朝から夕方にかけて徐々にトラヒックが増加し、昼休み帯(12時から13時まで)に一時的なピークがある。休日は朝から昼にかけて急激に増加している。平日及び休日ともに、夜間帯にトラヒックが急増し、23時から24時がピークの時間帯となっている(図表4-5-3-15)。 図表4-5-3-15 移動通信トラヒックの曜日別変化 総務省「我が国の移動通信トラヒックの現状」により作成 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html 19 ISP6社(インターネットイニシアティブ、NTTコミュニケーションズ、ケイ・オプティコム、KDDI、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB)の集計。 20 インターネットマルチフィード、エクイニクス・ジャパン、日本インターネットエクスチェンジ、 BBIX及びWIDE Projectがそれぞれ運営するIXの集計。