(6)白書の分析アプローチ 以上の問題意識のもとで、今般の白書では、ICT、とりわけクラウド・ビッグデータやモバイル(スマートフォン、M2M等)、ソーシャルメディア、4K・8KなどICTの最新トレンド(本白書では「スマートICT」としている)が日本の全産業・部門の成長、安全・快適な暮らしの実現、国際的地位向上にどのように寄与するかを具体的に示すことに留意しつつ、各種事例・動向紹介や分析を進めていくこととする。第1章では経済成長の側面に着目し、ICT活用する上で鍵となるG空間情報や、コトづくり、O2OなどスマートICTによる事業活動の変革を紹介し、我が国経済を牽引してきたICT産業をさらに成長軌道に乗せる上で不可欠なそのグローバル展開の現状と課題について分析を行う一方、ビッグデータの経済効果についてマクロ、ミクロ両面から分析する。第2章ではスマートICTによる社会課題解決の側面に目を転じ、電子行政・オープンデータ、街づくり、生活資源対策、超高齢社会対応の観点からICTの活用方策について紹介・分析する。第3章では、「スマートICT」活用の基盤となるパーソナルデータに関するルール整備の在り方、情報セキュリティの確保についての課題や研究開発イノベーションの推進について政府の取組の紹介を中心に述べることとする。