第3節 超高齢社会におけるICT活用の在り方 戦後、我が国は生活水準の向上や医療の発展を通じて、世界トップクラスの長寿国となった。一方、少子化とも相まって、我が国は人類がこれまで経験したことのない超高齢社会に突入している。これは、労働人口の減少により、社会の活力が失われ、所得水準が低下する懸念があるのに加え、医療や年金といった社会保障の負担が、特に現役世代を中心に重くなり、地域社会を始めとして、コミュニティ意識が希薄化するおそれがある社会である。 ICTは超高齢社会において、パラダイムシフトをもたらす原動力の一つとしても期待されている。すなわち、距離や時間の制約を越えるICTの積極的な利活用により、今後、高齢者の活動や生活シーンを変革し、その活力を引き出すエンジンになるとの期待である。 本節では、我が国及び海外における超高齢社会の現状について触れつつ、超高齢社会における新たな潮流として、アクティブシニアの出現や高齢者のICT利活用動向について紹介する。そして、「ICT超高齢社会構想会議」における議論を中心とする総務省の取組について述べる。