(2)進む高齢者のICT利活用 ICT利活用が広まるにつれ、高齢者のICTに対する考え方や利用状況に変化が見られる。インターネットの利用状況は平成24年末に65〜69歳が60%以上、70〜79歳が40%以上となっている。平成20年末と比較すると、65〜69歳は25%超、70〜79歳は20%程度も利用率が上昇しており、年々おおむね増加傾向にある(図表2-3-2-3)。 図表2-3-2-3 インターネットの年齢階級別利用状況 (出典)総務省「平成24年通信利用動向調査」 ICTの利用スタイルも大きく変わる見込みである。これまで、高齢者はICTの利用経験が乏しいことが多く、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)についても、若年層に比べ高齢者の利用が進んでいない(図表2-3-2-4)。しかしながら、これからの高齢者はICTを日常的に活用し、自らの活動領域をICTで広げていくことが想定される。特に、SNSの活用等により、高齢者が蓄積した知識・経験を生かして、若い世代との交流を促進したり、地域づくり等の社会参加を進めていくことが重要と考えられる。 図表2-3-2-4 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(年代別) (出典)総務省「平成24年通信利用動向調査」 利用したいICTサービスについて、高齢者(65歳以上)、高齢者予備軍(40歳〜64歳)それぞれに尋ねた 6 ところ、健康・医療・介護関係のICTサービスでは、全般的に高齢者よりも高齢者予備軍の方が比較的サービス利用意向が高く出る結果となった。交流・買物・移動関係のICTサービスでは、ほぼ近似する結果となっている。安全・安心やスキルアップ関係のICTサービスでは、「災害情報を自宅に知らせてくれるサービス」や「パソコンやインターネットの使い方を教えてくれるサービス」で高齢者が高齢者予備軍よりも利用意向が高く出る結果となった(図表2-3-2-5)。 図表2-3-2-5 高齢者等が利用したいICTサービス (出典)総務省「超高齢社会を支えるICTの在り方に関する調査研究」(平成25年) 6 調査概要は付注10参照。