3 我が国における情報セキュリティに係る取組 (1)新たな情報セキュリティ戦略の策定 我が国では、2005年(平成17年)に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)の下に情報セキュリティ政策会議が、また、内閣官房に情報セキュリティセンター(NISC:National Information Security Center)がそれぞれ設置された。これまで同会議においては、情報セキュリティ分野における基本戦略として、「第1次情報セキュリティ基本計画」(2006年(平成18年)2月)、「第2次情報セキュリティ基本計画」(2009年(平成21年)2月)及び「国民を守る情報セキュリティ戦略」(2010年(平成22年)5月)が策定され、官民が連携して情報セキュリティ対策の強化に関する取組が進められてきた。 この間、我が国の情報セキュリティを取り巻く環境が急速に変化し、サイバー空間と実空間の融合・一体化が進展するとともに、サイバー空間を取り巻くリスクが甚大化し、拡散し、グローバルレベルのものとなった。こうした深刻化する環境変化を踏まえ、現在、同会議においては、国家の安全保障・危機管理、社会経済の発展、国民の安全・安心確保のため、新たな情報セキュリティ戦略として、世界を率先する強靱で活力あるサイバー空間を構築し、「サイバーセキュリティ立国」を実現することを基本的な方針とする「サイバーセキュリティ戦略」を検討し、本年6月に決定した(図表3-2-3-1)。 図表3-2-3-1 「サイバーセキュリティ戦略」の概要 (出典)情報セキュリティ政策会議資料より作成