(1)災害・事故等に強い地方公共団体のICT基盤構築 ア 自治体クラウドの推進 「自治体クラウド 3 」は、クラウドコンピューティング技術を活用して地方公共団体の情報システムの集約と共同利用を進め、情報システムに係る経費の削減や住民サービスの向上等を図るものである(図表5-6-2-1)。また、地方公共団体の庁舎が損壊し、行政情報が流失する被害が生じた東日本大震災の経験も踏まえ、堅牢なデータセンターを活用することで、行政情報を保全し、災害・事故等発生時の業務継続を確保する観点からも、自治体クラウドの推進が求められている。 図表5-6-2-1 自治体クラウドの導入イメージ 総務省では、自治体クラウドの導入に対する地方財政措置やデータ構造の標準化に向けた検討、東日本大震災の被災地への財政支援等を行い、自治体クラウドの全国展開に向けた取組を進めている。 イ 業務継続の推進と情報セキュリティの確保 東日本大震災のような大災害や大規模なサイバー攻撃が発生した場合には、地方公共団体の業務継続を確保するとともに、地域住民に対して適切かつ迅速な行政サービスの提供が行われることが重要である。そのため、総務省では、東日本大震災の教訓等を踏まえ、ICTの事前の備えにより応急業務の円滑な遂行を確保するため、発災後おおむね72時間を目安にした初動業務に焦点を当てた、「地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(ICT-BCP)初動版サンプル」等を公表したところであり、今後はこれらを全国に普及させることを通じて、地方公共団体におけるICT-BCP策定を支援し、危機対応能力の強化・充実を図ることとしている。 また、総務省では、地方公共団体との間で、サイバー攻撃や個人情報の漏えい等に係る情報の共有を図るとともに、IT障害等の発生時には、必要に応じて注意喚起を行っており、今後も適切な情報セキュリティ対策が実施されるよう支援することとしている。 3 自治体クラウドポータルサイト:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/lg-cloud/index.html