3 農業分野における携帯電話利用 アフリカでは経済成長に伴い、高価で品質の良い食料を買い求める中産階級が増えている。世界銀行のレポート 6 によると、各国の政府による規制緩和などの取組強化を行えば、アフリカの農業市場は中産階級の需要があるため、2010年にはアフリカ全体で農業市場は年間3,130億ドルの市場規模だったが、2030年には1兆ドル規模と、3倍の規模に成長できると予測している。 一方で、市場の拡大に向けては、依然として、国境を越える際の手数料、検問所の存在、物流等の課題があるが、これに加え、生産者が価格や生産技術に関する情報を十分に入手できていない状況がある。このような問題を解決するためにもICTが期待されている。 ICTを活用することによって、従来農家の人々は買い手の「言い値」で農作物を取引しなければならなかったところ、市場での適正価格を知ることができるようになった。また農作物の栽培方法や天気など、従来は伝統的な栽培方法に依存してきたが、ICTの活用によって、新たな生産方法に関する情報も入手することが可能となる。 ここでの「ICT」は、携帯電話を活用したショートメッセージや音声など基本的なサービスではあるが、そのような「情報」を入手できることが重要であり、まさに「情報は力(Information is power)」なのである。以下、アフリカにおける農業関連の代表的なコンテンツ(サービス)を紹介していきたい。 6 Growing Africa: Unlocking the Potential of Agribusiness http://siteresources.worldbank.org/INTAFRICA/Resources/africa-agribusiness-report-2013.pdf