(5)ウェアラブルデバイスの認知度・利用意向 ア ウェアラブルデバイスの認知度 以上のように、各社から様々なウェアラブルデバイスが提供され始めており、市場として大きな成長が見込まれているが、実際に消費者からはどの程度認知されているのだろうか。今回、2,000人のモニターを対象に、ウェアラブルデバイスの認知度や利用意向についてアンケート調査を実施した 3 。 その結果によると、ウェアラブルデバイスについて「聞いたことはあるが内容はよくわからない」と回答した人が4割強と最も多く、次いで「内容をある程度知っている」と回答した人が約3割となった。「ウェアラブルデバイス」という言葉自体はある程度認知されているが、その具体的な内容までは必ずしも知られていないことがうかがわれる(図表4-1-1-9)。 認知度を年代別に見ると、20代以下では、ウェアラブルデバイスの内容まで認知している人(「内容をある程度知っている」あるいは「内容をよく知っている」と回答した人)が約4割であり、他の年代よりも多くなっている。 また、認知度をスマートフォン利用者と非利用者とで分けてみると、スマートフォン利用者はその約4割がウェアラブルデバイスの内容まで認知しており、スマートフォン非利用者(同33.6%)よりも多くなっている。スマートフォンとウェアラブルデバイスとを組み合わせたサービスが展開されている現在、スマートフォン利用者の間でのウェアラブルデバイスの認知度が上がっていることがうかがわれる(図表4-1-1-10)。 消費者向けのウェアラブルデバイスは健康分野での活用を想定したものが多い。今回のアンケート調査では、回答者が代表的な生活課題についてそれぞれどれくらい重要と考えるかを別途尋ねており 4 、「医療・健康」を重要な生活課題と捉えている人とそれ以外に分けて、ウェアラブルデバイスの認知度を見た。その結果によると、「医療・健康」を重要な生活課題と捉えている人は4割弱がウェアラブルデバイスの内容まで認知しており、「医療・健康」を重要な生活課題と捉えていない人(同3割強)よりも多い。健康への関心度が高い人はウェアラブルデバイスの認知機会が多いことがうかがわれる(図表4-1-1-11)。 イ ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスの利用意向 前述のとおり、消費者向けのウェアラブルデバイスは健康分野での活用を想定したものが多い。そこで、ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスの利用意向を尋ねた。その結果、「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答した人は37.8%と全体の3分の1強であった。 利用意向を年代別に見ると、「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答した人は30代が4割強と最も多い。以下年代が高くなるほど利用意向が下がっていき、60代以上では34.5%である。 また、利用意向をスマートフォン利用者と非利用者とで分けてみると、スマートフォン利用者は4割強が「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答しており、スマートフォン非利用者(同32.5%)を上回っている。ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスが、スマートフォン利用者から、その新たな活用方法として期待されていることがうかがわれる(図表4-1-1-13)。 「医療・健康」を重要な生活課題と捉えている人とそれ以外に分けて利用意向を見ると、「医療・健康」を重要な生活課題と捉えている人は約4割が「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答しており、「医療・健康」を重要な生活課題と捉えていない人の約2倍になった。健康への関心度が高いとウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスへの期待も高いことがうかがわれる(図表4-1-1-14)。 ウ ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスを利用したくない理由 ウェアラブルデバイスを活用した健康管理サービスについて「あまり利用したくない」あるいは「利用したくない」と回答した人を対象に、サービスを利用したくない理由を尋ねた。その結果は「常にウェアラブル端末を身に着けるのは面倒だから」が47.0%、「価格が高いと思うから」が43.4%、「機器を使ってまで健康管理をする必要性を感じないから」が36.8%の順となった(図表4-1-1-15)。 3 調査仕様の詳細は巻末の付注5を参照されたい。 4 医療・健康、介護、子育て、移動・交通、教育、雇用・労働、地域活性化、安心・安全の各分野について、どれくらい重要と考えるかを5段階評価(非常に重要である、重要である、どちらでもない、あまり重要でない、重要でない)で尋ねた。