(7)今後のSNS利用に向けて 以上、アンケート調査の結果を基に、SNSでの「拡散」と「炎上」を巡る現状と課題を探ってきた。プライバシーや知的財産権への配慮など、SNSで自ら情報発信をする際の一般的な注意事項はSNS利用者の間で広く意識されている。しかし、SNS利用者が他人の情報を拡散する際は、情報の信憑性よりも内容への共感や内容の面白さが基準とされる傾向にあり、これがSNSでの炎上が多発する一因となっている可能性がある。 また年代別にみると、若年層はSNS利用率が高く、SNSの各種特性への認知度も高いが、情報拡散時に情報の信憑性よりも面白さを重視する傾向が強く、トラブルに巻き込まれる利用者の割合も高い。一方、シニア層は総じてSNS利用者のモラルが高く、情報の信憑性にも注意しつつ慎重にSNSを利用している様子がうかがえるが、SNSの利用率自体やSNSの各種特性への認知度が低い。 SNSはコミュニケーションのツールとしてだけでなく、様々なサービスのプラットフォームとしても活用されるようになっており、その重要性は今後ますます高まっていくと予想される。全ての人がトラブルに巻き込まれず安心してSNSを利用できるようにするためには、以上のような各年代の利用特性を踏まえて教育や周知啓発を行っていくことが必要だろう。