第4節 オリンピック・パラリンピックとICT ICTによる暮らしの変化は、新たな製品やサービスが徐々に家庭や職場に普及していくことで少しずつ実現する場合もあれば、節目となるイベントの開催を契機として一挙に実現する場合もある。そうしたイベントの代表例として、オリンピック・パラリンピックを挙げることができる。たとえば、1964年の東京オリンピック開催が、我が国でカラーテレビが急速に普及する契機となったことはよく知られている。 5年後に開催される2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、「2020年東京大会」)も、そうしたICTによる社会変化の起爆剤となると期待されている。そこで本節では、過去の五輪大会とICTとの関わりについて振り返るとともに、2020年東京大会におけるICT利活用の可能性について概観する。