第1節 ICTの更なる進化 前章までの検討は、基本的に、現時点で実用化している、あるいは実用化に近い段階にあるICTを前提に、その利活用が地域や暮らし、産業の中で広がることでどのような変化が生じているか、あるいは生じ得るかを展望するものであった。しかし、言うまでもなく、ICTは日々進歩しており、今から2030年頃までの間にも、現時点では基礎研究の段階にある多くの技術が、社会に実装され、地域や暮らし、産業に新たな変化をもたらすと考えられる。そこで本節では、前章までの検討を補う意味で、ICTの更なる進化の方向性について検討する。