(3)ICT分野の体質改善を目指す「K-ICT戦略」 1990年代後半からICT分野が韓国経済をけん引してきたが、近年はICT分野の成長率が鈍化していたため、ICT産業の根本的な体質改善が必要とされていた。そこで、ICTが成長戦略の主役として生まれ変わるための広範なICT産業育成戦略として、未来創造科学部は、2020年までの今後5年間で9兆ウォンを投資する「K-ICT戦略」を2015年3月にまとめ、2020年までにICT生産額240兆ウォン、輸出額2,100億ドルの達成を目指している。 同戦略は「ICTが先導する創造韓国実現」をビジョンとして、新産業育成のため、@ICT産業体質の根本的改善、AICT融合サービス拡大のための大規模投資による新需要創出、B中国・途上国等へのパッケージ型輸出多弁化を通じた販路開拓、Cソフトウェア・新産業分野の戦略9産業育成、の4分野で17のプロジェクトを重点的に進める。 具体的には、産業体質の根本改善策として「Fast-Track」制度を導入し、これまで企業の研究開発支援決定までに要していた期間を1年から3か月に短縮し、迅速な研究開発支援ができるようにする。また、ICT融合サービス拡大のため、教育・医療・観光・都市・エネルギー・交通の重点6分野に2019年までに総額2兆1,000億ウォンを投じる。戦略9産業には、ソフトウェア、IoT、クラウド、セキュリティ、5G、UHD、スマートデバイス、デジタルコンテンツ、ビッグデータが指定されており、分野別に官民協議体を運用して常時モニタリングできる体制を整える。