平成28年版 情報通信白書のポイント ■構成 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜 IoT・ビッグデータ・AI等の新たなICTについて、その進展状況と社会経済全体にもたらす変化について展望する。 第1章:ICTによるイノベーションと経済成長 IoT・ビッグデータ・AI等新たなICTによる経済成長への貢献経路について、供給面と需要面から整理し、それぞれの経路について事例や企業の取組状況等を交えながら、ICTが経済成長に与える潜在的効果を定量的に検証。また、ICTがもたらす非貨幣的価値(消費者余剰等)についても考察。 第2章:IoT時代におけるICT産業動向分析 経済成長への貢献が期待されるICT産業について、IoTの進展を踏まえた上で全体構造の整理を行い、ICT機器・サービスの各市場規模や成長性、競争環境等について定量的に検証。 第3章:IoT時代の新製品・サービス IoT時代の新たなICT機器・サービスとして、現在注目されているフィンテック、シェアリングエコノミー等を取り上げ、それぞれ認知度、利用意向等国際消費者アンケートの比較を踏まえながら、それらの現状や課題等について分析。また、医療、教育など公共分野における先進的なICT利活用事例や、熊本地震におけるICT利活用事例を紹介。 第4章:ICTの進化と未来の仕事 ICTの進化が雇用や働き方に与える影響について概観した上で、急速な進歩を遂げる人工知能(AI)を取り上げ、その現状や日米就労者アンケートの比較等を交えながら、今後必要とされるスキルの変化と求められる教育・人材育成の在り方について検証。 第2部 基本データと政策動向 第5章:ICT分野の基本データ 総務省実施調査の結果を中心に、我が国ICTの現状を示す最新データを幅広く紹介。 第6章:ICT政策の動向 我が国のICT政策の最新動向を、総務省の取組を中心に紹介。 第1章 ICTによるイノベーションと経済成長 特集部(第1章〜第4章)のテーマとして IoT・ビッグデータ・AI 〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜 を設定 大きい画像はこちら 我が国が抱える少子高齢化等の課題を踏まえ、ICTが経済成長にどのように貢献するか、供給面、需要面について8つの経路に類型化し分析。 供給面については、ICTによる経済成長への貢献度を明らかにするため、定量分析を行った。 大きい画像はこちら IoT・ビッグデータ・AI等のICTの進展により我が国の経済成長は加速、2020年度時点で実質GDP約33.1兆円の押し上げ効果。 成長要因別にみると、TFP(全要素生産性)の寄与度が大きい。ICTはTFPの寄与度をさらに高める効果 ICT成長による実質GDPへのインパクト 成長要因の分解(ICT成長シナリオ) 様々な分野におけるICTの利活用が進展することで、ICTは供給面のみならず、需要の創出においても貢献。 スマートホーム(エネルギー系) ICTを通じた消費の促進 ICTは、(既存統計のみではとらえきれない)非貨幣価値の創出にも貢献。 大きい画像はこちら 第2章 IoT時代におけるICT産業動向分析 IoT(インターネットにつながるモノの数)は「自動車」や「産業用途」をけん引役として、引き続き拡大。 世界のIoTデバイス数の推移及び予測 分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率 IoTの進展に係る課題についての国際企業アンケート(日、米、英、独、韓、中)結果として、日本はインフラ面については他国と比較して課題と感じている企業が少ない一方、人材育成を課題と感じている企業が多い。 IoTの進展に係る課題の平均と変動係数 * IoTの進展にかかる課題のうち最も重大な課題 日本はインフラ整備状況に比してIoT進展指標が低く、人材の育成やユーザー企業へのIoTのユースケースの紹介等、IoT利活用を進める必要がある。 IoTの進展に係る指標化と国際比較 出所:ITU「ICT Development Index」より 第3章 IoT時代の新製品・サービス IoT時代を象徴する新サービスとして、FinTechやシェアリング・エコノミー等が登場。従来にない価値創造や課題解決に資する事例も現れつつある。 国別では米国から、各国の年代別では若年層から利用意向の上昇や利用が進みつつある傾向。 大きい画像はこちら ICTは社会課題解決にも貢献 医療分野医療従事者向けモバイルアプリJoin 教育分野(スタディサプリ) データの利活用・流通と安全性・コストとを両立させる方法として、ブロックチェーンや分散管理等の技術の可能性が注目されている。 個人によるパーソナルデータの分散管理 ICTは地域の活性化にも貢献 大きい画像はこちら 第4章 ICTの進化と未来の仕事 人工知能(AI)の導入により、「AIを導入・普及させるために必要な仕事」と「AIを活用した新しい仕事」の2種類の仕事によりタスク量の増加が見込まれる。 人工知能(AI)導入で想定される雇用への影響 日本の就労者は米国よりも、対応・準備の遅れが目立ち、また、人工知能(AI)活用スキルの習得意欲も低い。 人工知能(AI)の普及に向けた今後の対応・準備 自分が取得もしくは子どもに習得させたい人工知能(AI)活用スキル 人工知能(AI)活用スキルを取得するための学習環境や支援制度に対するニーズ 人工知能(AI)の研究開発や社会への普及における、我が国政府に期待される役割