1 IoTの進展に係る国内外の取組 (1)IoTに係る標準化の動向 現在、様々なプレイヤーがIoTの世界で研究開発・標準化に積極的に取り組んでいる。とりわけ、国際的な標準化活動としては、アライアンスやコンソーシアムの取組が活発化している。それぞれをみてみると、B to C向けでは上位レイヤーに係る取組が多い。例えば、プラットフォーム等を標準化することにより、それらを利用したアプリケーションの開発が容易になる。そのため、家電メーカー等の事業者だけでなく、消費者自体がアプリケーションを開発することも可能となる。結果として、アプリケーションレイヤーでの競争が促進され、多種多様なアプリケーションが消費者に提供されるというメリットがある。他方、B to B向けを対象とした最も有名な団体としてはIndustrial Internet Consortiumが挙げられ、米国企業を中心として標準化の取組が進められている。 このような動きの中で、我が国企業は、IoTに対する関心が主としてメーカーやメーカー系SIerにあることから、標準化の取組もデバイスレイヤーに集中している傾向が見られる(図表2-3-1-1)。 図表2-3-1-1 主なIoT関連団体 (出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年) 企業向け国際アンケート 1 (日本、米国、英国、ドイツ、韓国、中国)において、各国企業のIoTに係る標準化への取組に関する意識調査を実施したところ、自ら取り組むというスタンスの企業が多い国(米国、ドイツ、中国)とそうではない国(日本、英国、韓国)に二分される結果となった(図表2-3-1-2)。 図表2-3-1-2 IoTに係る標準化に対する各国企業のスタンス (出典)総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年) 1 企業向け国際アンケートの詳細については、巻末付注2を参照。