第3節 人工知能(AI)の進化が雇用等に与える影響 前節では人工知能(AI)の進化をこれまでの研究と広がる利活用の面から概観した。現在は「人間のように考えるコンピューター」としての人工知能(AI)は実現していないが、人工知能(AI)に関する研究の進展によって「識別(音声認識や画像認識など)」「予測(数値予測やマッチングなど)」「実行(表現生成やデザインなど)」といった機能の一部が実用レベルに達し、生活や産業への人工知能(AI)の導入がはじまっている。ディープラーニングの登場により利活用の範囲はさらに広がる可能性が示唆されている中で、人工知能(AI)のさらなる進展が雇用に与える影響についての研究等が話題となっている。 本節では、これまでのICT等の進化が雇用に与えたとされる影響を概観した後に、人工知能(AI)の進化が我が国の雇用等に与える影響について各種専門家の意見から概観するとともに、人工知能(AI)が雇用に与える影響についての日米就労者の意識の差を明らかにする。