2 将来展望に関する提言 前項のデータ流通・利活用に関する国際比較では、先進国における日本の現状の位置付けを認識することができるとともに、我が国の課題も浮き彫りとなった。このように、多様な側面を持つデータ流通の潮流を踏まえると、複数の視点から、可能な限り定量的に指標として計測することが重要である。さらに第3章で概観する「第4次産業革命」に向けた社会・経済・産業の変化を見据え、その核を成すデータ流通のみならず、インフラ、セキュリティ、技術革新(AI等)、競争力などの多様な視点からみていくことで、IoT・ビッグデータ・AI等が実現する新たなエコシステムの将来像や方向性、また課題についてより具体的に議論していくことができる。第3節で取り上げた「越境データ流通の経済価値」を定量化するフレームワークや国際的な対話の進展は、その第一歩として捉えることもできる。こうした視点と取組により、ネットワークとデータそして産業競争力が一体となり、創造する新たな価値を理解するとともに経済貢献を促進していくことが期待される(図表2-4-2-1)。 図表2-4-2-1 ネットワークとデータが創造する新たな価値 (出典)総務省「平成28年(2016年)版情報通信白書」