3 課題解決の方向性 (1)なぜICT利活用なのか 平成28年(2016年)版情報通信白書 3 において示したように、人口減少社会の到来による経済的なマイナス要素は、ICT利活用を軸とした課題解決によって改善していく事が期待される。 少子高齢化とそれに伴う生産年齢人口の減少による生産力低下に引きずられることなく中長期的に経済成長を実現していくために、働き方改革に関わるところでは、「労働参加率向上」及び「労働生産性向上」が必要である。「労働参加率向上」を実現するためのICT利活用の方向性として、「テレワーク」に注目する。また、「労働生産性向上」を実現するためのICT利活用の方向性として、「ICT投資」「AI等活用」を取り上げる。 一方、地方創生に関わるところでは、「交流人口増加」「定住人口増加」が必要である。「交流人口増加」として海外からの旅行者によるインバウンド需要が期待されている。このためのICT利活用の方向性として、海外に向けた「情報発信」ならびに訪日外国人を対象とした「無線LAN等整備」を取り上げる。また、「定住人口増加」のためには、地域での雇用を増やすとともに、そのための地域外からの収入を増やす必要があるが、効果的な施策を企画・推進するためには、ユーザーや来訪客のニーズ、施策効果といった各種情報の収集及び分析が不可欠である。そこで「定住人口増加」を実現するためのICT利活用の方策として、「情報収集・分析」を取り上げる(図表4-1-3-1)。 図表4-1-3-1 社会課題に対する解決の方向性とICT利活用 (出典)総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年) 3 総務省「平成28年(2016年)版情報通信白書」の第1章「ICTによるイノベーションと経済成長」における議論を指す。 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc110000.html