3 労働生産性向上に役立つAI利活用への期待 人口減少を迎える我が国においてAIが広く社会に普及することによって、雇用や働き方が大きく変化していくことが予想されている。そこで、AIの普及が企業の事業に対して、どのような影響をもたらすと捉えられているのかについてみてみた。 AIの普及が自社の事業に良い影響をもたらすと考える企業の方が、悪い影響をもたらすと考える企業よりも多いことがわかった。従業員数300人以下の企業では、まだ多くの企業が自社への影響の良し悪しについて判断できていない状況であるが、2割を超える企業が良い影響があるものとして捉えている(図表4-2-3-1)。 図表4-2-3-1 AIの普及が自社の事業にもたらす影響 (出典)総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年) AIを活用する目的としては「業務効率・生産性の向上」、「省力化・無人化」、「不足している労働力の補完」といったことに関心を持つ企業が多い。さらに、従業員数301人以上の企業では、活用目的として多くの項目を挙げており、労働生産性の向上だけではなく、商品・サービスの高付加価値化や、人員・機械・設備等の最適配置や安全性向上等についての期待も高いことがわかる(図表4-2-3-2)。 図表4-2-3-2 関心のあるAIの活用目的(複数回答) (出典)総務省「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)