3 熊本地震と事業継続 東日本大震災においては、データの損失や業務システムへの被害が発生し、大規模災害が発生した際の業務継続に対して改めて対策をおこなう契機となった。一方で、コストやセキュリティ等の問題から十分な対策が講じられないという意見も挙げられており、東日本大震災から5年以上が経過した現在においても万全の対策が取られているとは言い難い。 そこで、熊本地震においては業務継続に対する対策がどのように行われ、それにより想定しうる被害を防ぐことができたのか、また、どのような課題が生じたのかについて、主に被災地域における自治体や企業、病院・介護施設、農漁協商工会等を対象としたインタビュー調査結果を基に、東日本大震災以降の変化、クラウドサービスの利用による効果等について整理した。