(2)放送コンテンツの製作取引適正化 総務省では、放送コンテンツ分野における製作環境の改善及び製作意欲の向上等を図る観点から、平成21年に「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」を策定し、放送事業者及び番組製作会社に対して、放送コンテンツの製作取引の適正化を促してきており、この一環として、放送コンテンツの製作取引の状況を把握するため定期的にガイドラインのフォローアップ調査を実施しその結果を公表するとともに 3 、当該ガイドラインの内容を解説する講習会を開催するなど、当該ガイドラインの浸透・定着に向けた取組を実施している。 平成28年12月20日から平成29年1月31日まで実施した平成28年度フォローアップ調査では、1,685社(放送事業者581社、番組製作会社1,104社)を対象に、761社(放送事業者425社、番組製作会社336社)から回答を得た。その結果、放送事業者の69.9%、番組製作会社の82.7%が、平成28年1月1日から同年12月31日までの調査対象期間中に「放送コンテンツの製作取引があった」と回答した。ガイドラインの認知度は、放送事業者と番組製作会社の合計で91.7%まで上昇した(昨年度調査結果では73.1%)。また、取引に関する項目では、おおむね昨年度調査結果と同じ傾向がみられ、回答割合に放送事業者と番組製作会社との間で大きな違いがみられた事項もあった。例えば、放送コンテンツの製作委託をする(受ける)際の取引価格の決定について、「事前に協議をしていない(協議の機会を設けられない)場合があった」又は「事前に協議をしていない(協議の機会を設けられない)」と回答した者の割合は、放送事業者では2.4%(昨年度調査結果では0.6%)であったのに対し、番組製作会社では32.7%(昨年度調査結果では30.6%)であった。 また、インターネットを活用した放送コンテンツの提供サービス等による放送コンテンツの二次利用の進展に対応するため、放送コンテンツ分野における製作環境の改善や製作意欲の向上等を図る観点から、製作現場に適正にビジネス活動の利益が還元される環境を整備することで取引の適正化を図っていく等、放送コンテンツの適正かつ円滑な製作・流通を確保していくことが重要であることから、総務省は、後述のとおり、平成28年10月、放送コンテンツの適正かつ円滑な製作・流通の確保方策を含む「視聴環境の変化に対応した放送コンテンツの製作・流通の促進方策の在り方」について、総合的な検討を行うため情報通信審議会に諮問した。 3 「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」平成28年度フォローアップ調査結果(平成29年3月31日総務省公表資料)http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu04_02000064.html