(2)二国間関係における国際政策の展開 ア 米国との政策協力 (ア)インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話 インターネットエコノミーに関する幅広い政策課題について意見交換し、ICT分野の発展に向けた認識の共有化と地球的規模での課題における具体的連携を推進する観点から、2010年(平成22年)に日米両国の間で、「インターネットエコノミーに関する政策協力対話」を行うことで一致した 11 。同年11月に第1回を開催して以来、総務省情報通信国際戦略局長をヘッドとし、日本経済団体連合会(経団連)、在日米国商工会議所(ACCJ)、ほかICT企業の代表が出席する官民会合、及び日米両政府間(日本側は総務省、外務省、経済産業省、内閣サイバーセキュリティセンター等。米国側は国務省、連邦通信委員会、商務省等)のみで行われる政府間会合が実施されている。 2016年(平成28年)2月に第7回局長級会合が都内で開催され、会合の成果文書として、3月に「インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話第7回局長級会合に係る共同記者発表 12 」が発表された。官民会合では経団連及びACCJからインターネットエコノミーの発展に向けた提言をまとめた「日米IED民間作業部会共同声明2016 13 」が提出された。2017年(平成29年)4月5日、ワシントンにおいて開催された民間会合において、日米経済対話におけるデータの自由な流通の拡大及び安心・安全で信頼できるインターネットの発展などへの取組みを求める「インターネットエコノミーに関する日米政府への共同書簡 14 」が取りまとめられ、経団連及びACCJから日米政府に提出された。 イ 欧州との協力 (ア)欧州連合(EU)との協力 総務省は、欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局との間で、ICT政策に関する情報交換・意見交換の場として日EU・ICT政策対話を開催している。2016年(平成28年)12月、ベルギー(ブリュッセル)で開催された第22回日EU・ICT政策対話では、同年4月のG7香川・高松情報通信大臣会合のフォローアップを行うとともに、IoT/5G、AI、パーソナルデータの利活用等、ICT分野に関する幅広い議題について対話が行われた。 また、2016年(平成28年)11月には、デジタル経済における重要課題について官民で自由な意見交換を行う場として、上記政策対話と併せて、第4回となる日EU・ICT戦略ワークショップを開催した。2017年(平成29年)5月に、第5回日EU・ICT戦略ワークショップを開催し、ICT政策全般、IoT等のICTに関する標準化、越境データ流通等について議論を行った。 (イ) 欧州諸国との二国間協力 総務省は、2016年(平成28年)1月、日独ICT政策対話(第1回)をドイツ連邦経済エネルギー省等との間で開催し、IoTや欧州デジタル単一市場に係る協議を行ったほか、5Gや電気通信分野における競争政策の最新動向について意見交換を行った。また、2017年(平成29年)1月、日仏ICT政策協議(第19回)をフランス共和国経済・財務省等との間で開催し、イタリアで開催予定の次回G7産業ICT大臣会合等の国際会議を見据えた国際連携のほか、IoT、5G・超高速ブロードバンド、AIについて協議を行った。 ウ アジア・太平洋諸国との協力 総務省では、アジア・太平洋諸国の情報通信担当省庁等との間で、通信インフラ整備やICT利活用等のICT分野に関する協力を行っている。 シンガポールとは、2017年(平成29年)5月、総務省とシンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)との間で、第5回日・シンガポールICT政策対話をシンガポールで開催した。本対話では、両国のICT政策全般、IoT、5G及びAIといった新たな技術・サービスに対する政策動向、国際的な協調が不可欠なサイバーセキュリティ対策、国際ローミング料金等といった多岐にわたる分野で意見交換を行った。 インドネシアとは、2017年(平成29年)5月、総務省とインドネシア通信情報省(KOMINFO)との間で、第5回日インドネシアICT共同作業部会をジャカルタで開催した。本部会では、両国のICT政策の共有や共同プロジェクトの進捗状況の確認を行うとともに、民間企業によるICTソリューション紹介等を行った。 オーストラリアとは、2015年(平成27年)2月に、シドニーにおいて通信省との間で、第1回日豪ICT政策対話を開催し、準天頂衛星を活用したG空間プロジェクトの推進等について合意し、2016年(平成28年)10月及び12月にはその一環として、豪州北部地域において同衛星の高精度測位機能を活用した農機の自動走行や、ドローン等によるセンシング情報に基づく農作業の効率化に関する実証を実施するとともに、2017年(平成29年)2月には豪州政府、大学、農業関係者等を対象としたワークショップを開催した。また、同年1月の安倍総理訪豪に際し、共同プレス発表において準天頂衛星の利活用が取り上げられた。 11 インターネットエコノミーに関する日米政策協力:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin06_02000027.html 12 http://www.soumu.go.jp/main_content/000402067.pdf 13 http://www.soumu.go.jp/main_content/000402064.pdf 14 (正文英文)http://www.keidanren.or.jp/en/policy/2017/031.html (仮訳)http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/031.html